甘味
□四話
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目の前に誰かが居る。
見たことのある人物だ。
その姿は、とても懐かしくて・・・
「キラ・・・?キラ・ヤマト・・・?」
「君は、リディア!リディア・イノセント・・・!!」
こちらに駆け寄ってくるのはキラだ。
ガバッ
「うわぁっ、き、キラ!!」
「会えて嬉しいよ、リディア・・・!」
「私もだよ、キラ・・・!」
キラを抱きしめ返すリディア。
「ねぇリディア、どうしてヘリオポリスに?」
私は少しギクッとしたが、普通に返した。
「勉強のために決まってるじゃない!
ヘリオポリスの工業カレッジは、最先端の研究してるって評判だし。」
「そうなんだぁ。」
「キラ?」
キラはもっと強く抱きしめてくる。
「キラ、苦しっ・・・」
そしてキラは耳元で囁いた。
「“僕たちを殺すため”の、間違いじゃないの・・・?」