甘味

□二話
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キラは、遭難していた避難ポットを発見し、アークエンジェルへ持ち帰った。

その中にはたくさんの人が避難していた。

そして・・・



「あぁ!貴方、サイの友達の・・・!」

「ふ、フレイ!フレイ・アルスター!」

キラ達より一つ年下のフレイも、そこへ避難していたのだ。
顔見知りの人間に会えたのがよっぽど嬉しかったのか、フレイがキラに抱きついた。
キラの頬は心なしか赤く染まる。

「ねぇ、あれって、フレイじゃない?」

「フレイ・・・!」

キラを迎えに来ていたリディア達も、フレイを見つけた。
フレイの婚約者であるサイがフレイの下へ行く。


「サイ、ねぇ、どうしちゃったの・・・?
どうなっちゃったの、ヘリオポリス!私たちは・・・!?」

「大丈夫だよ、フレイ。大丈夫だから・・・」

サイがフレイを抱き寄せる。


「キラ。」

「リディア・・・」

「ごめんね、キラ・・・私がストライクに乗れたら良いんだけど・・・」

「大丈夫。」

キラがリディアの手をギュッと握った。

「リディアが戦場に出ることはないんだ、大丈夫だから・・・」

キラの中では先ほどのアスランの言葉がグルグル回っていた。

【リディアを返せ!】
【彼女は、】

アスランは、その後一体何を言おうとしていたんだ・・・?


「キラ?」

ヘリオポリスに来る前まで、リディアはプラントにいた。
その事実がキラに最悪の予想を引き起こさせたが、すぐにそんな考えは取り払った。

(リディアがザフトなワケない・・・)

キラはリディアの胸元に頭を置いた。

「き、キラ・・・!?具合、悪いの!?」

「ううん・・・もう少しだけこうさせて。」

そう言うとリディアは、
「しょうがないなー」と言ったが、頭を撫でてくれた。

(幼なじみの特権ってやつかな・・・)

キラはしばらくの間その温もりに包まれていた。
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