甘味
□一話
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ヘリオポリスにて
中立国オーブの宇宙コロニーのカレッジの教授の研究室に彼女は居た。
ヘリオポリスの学生であり、彼女の幼馴染みで親友のキラ・ヤマトは、カトー教授からの頼みに悪戦苦闘していた。
「キラ!」
「トール、ミリィ!」
友人のトールとミリアリアがキラに声をかける。
「あれ、リディアは?ミリィ達と一緒にいなかったの?」
「私たちは、キラと一緒かと思ってたよ。ねぇ、トール。」
「あぁ。二人ともいつも一緒だしな!」
キラはトールに肩をガシッと掴まれた。
「ちょ、トール!?」
「お前はいつもリディアリディア言ってるもんなー!」
「トール!!」
「ほら、トール!キラがリディア大好きなんて私たちは知ってるじゃない!」
「ミリィ!?」
顔を真っ赤にして慌てふためくキラ。
キラはコーディネイターで確かに凄いけど、こういう部分はとても身近に感じられて、ミリアリアとトールは笑みを浮かべる。
「ていうか、二人はゼミの方に向かわなくて良いの?」
まだ顔の赤いキラが二人に尋ねた。
「あぁ、そうだ忘れてた。教授が研究室に来いってさ。リディアもって言ってたから二人を探しに来たんだ。」
「リディアどこだろうね?」
「先に行こう。途中で会えるかも。」
キラがそう言うと、三人は研究室に向かい始めた。