移行済・甘味拾

□奇跡も、魔法もあるんだよ
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同時刻
見滝原市市立病院にて

眠っていた上条恭介は、ふいに目を覚ました。
何かの違和感を感じて、恭介はうっすらと目を開けて自分の腕を見た。
もう何も感じないはずの腕が、何かを感じている。
ビリッと弱い電流が走ったような感覚に似ている。


今まで動かなかった彼の指がもう一度動いた。





同時刻
見滝原市内のどこか物理的に高い場所にて

「いやぁ、まさか君が来るとはねぇ」

キュゥべえが大きな尻尾を振った。
一方、話している女の子はもぐもぐとクレープを頬張る。
最後の一口を堪能してから、女の子は口を開いた。

「こっちはマミがくたばったって聞いてわざわざ来てやったのに、話が違うじゃん?」

「悪いね、この土地には既にもう一人の魔法少女が居たんだよ。」

「ハァ?
何それ聞いてないんだけど・・・」

「彼女は他の魔法少女から隠れていたからね。
そしてついさっきもう一人、魔法少女が増えたよ。契約したばかりさ。」

「何それ?超ムカツク」

指に付着したクリームを舐めとり、女の子は「ま、いっか」と再び話し始める。

「こんな絶好の縄張り、臆病者とルーキーのヒヨっ子にくれてやるのもシャクだしねぇ」

「どうするんだい、杏子?」

キュゥべえは杏子と呼ばれる女の子を見上げる。
杏子は後ろで一つに結った赤い髪の毛を揺らして、口角を上げた。


「決まってんじゃん」






ブッ潰しちゃえばいいんでしょ?
その子たち










つづく
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