06/06の日記

18:56
言葉
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ただ好きだった
ただ1人の人間として好きだったんだ
親子だなんて関係ない


「シンちゃん!!!」

「ンだよ」

「パパね、 」

「はぁ?聞こえねーよ」

「 」

届かない声
届かせたくて、必死にやる
私ともあろう者が…

1人の人間に惚れ
1人の人間を好きになり
1人の人間を愛し
1人の人間に執着する、だなんて

「 愛しているよ 」

ただ、ただそれだけを言いたいのに

一番言いたい言葉が出て来ないだなんて
空白の言葉となってしまう愛の言葉

シンちゃん、もっと耳をすませて
私の声を聞いて





「って夢を見たんだ」

「自分の独白の夢なんか見るなよ」

呆れたように溜め息をつく息子は、夢とは違いきちんと聞いてくれているのだろうか?
今まで幾度となく囁いてきた私の言葉を、ちゃんと受け止めてくれているのだろうか?

夢のせいで徐々に不安が募っていき、いつの間にかシンタローの顎を捕らえて自分の方へと向かせていた。
気付いた時には既にシンタローお怒りモードになっていて軽く睨まれてしまう。

「んだよッ」

「何でもないよ?ただね…」

無意識だった、なんて言えば怒声が聞こえきそうだったので言葉を濁らせる。

「……キス、したいなぁって」

コレで誤魔化せるよね?
なんて見ていれば睨みつけ眉間にシワを寄せていたシンタローの表情が一変してキョトンとしていた。

何か変なこと言ったかな?

「どうかした?」

「手」

「手?」

「手、震えてるゼ」

震えてる?

「え、そ、そんなことないよ。もぉシンちゃんてば何を言っているんだい?」

そんなわけがない。
だって、震える理由が思いつかないから。
内心混乱していたら手に温もりを感じて、見てみればシンタローが私の手に触れていて。




「ちゃんと聞いてるから」





「え?」

「アンタの声はちゃんと聞こえてるからッ」

「シンちゃん?」

「だから…ンな顔、するなよ。夢の事なんて…気にするなッ」

嗚呼、どうしてこの子は私の欲しい言葉を。
一番聞きたい時にしか言ってくれないのだろう。
そんな言葉を毎日聞けたら、私だって不安になんかならないのに。


「ありがとう、シンちゃん…愛しているよ」

















以上、パパちょい不安定になった日。でした(≧▽≦)ゞ

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