テニス村

□赤く染める月
3ページ/4ページ





「先輩の家、行って良いッスか?」

「良いけど…またなんでじゃ?」

「なんとなくッス」


そうだ
本当に
なんとなく

仁王先輩の家に行きたい

もう少し、
もう少しだけ

側にいたいから


「(そう思うのは、何故だろう)」












「適当に上がりんしゃい」

「お邪魔しまーす」


初めて上がった仁王先輩の家は、なんだか照れくさかった


「飲み物持ってくから二階上がっとって」


そう言われて部屋に入った


「うわ…シンプル」


ベッドに座ってみる
軋む音が部屋に響いた


「男子の部屋というか男性の部屋だな…」

「なんでそう思うんじゃ?」

「!?びっ…くりしたッス」

「ははっ…すまんすまん。コーラで良かったか?」

「あ、はい」


なんだか急に緊張してきた
止まれ心臓!


「先輩!」

「ん?」

「俺…先輩と居ると、顔が熱くなったり心臓がうるさくなったりするんスけど」


どうすればこの高まりは止むの?


「俺…病気ッスか!?」

「それ…マジで聞いてんのか?」

「?そっスけど」

「それは」


最大の禁忌


「赤也が俺の事好いとうからじゃき」

「好…?」


俺が?仁王先輩を?

そう考えたら、凄く恥ずかしくなってきて


「おっ…俺が、えっ、仁王先輩を…好き!?」

「で、俺も赤也を好いとう」


にこっと笑う仁王先輩
混乱する俺


「とりあえず…キスしていッスか?」

「赤也からしてくれんのか?ありがたいぜよ」



ほら、月が見てるよ




私を赤く染めたんだから、貴方も







end...
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ