REBORN!
□山本へ
1ﾍﾟｰｼﾞ/6ﾍﾟｰｼﾞ
ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ
「今日も暑いね」
親友であり私と共に野球部のﾏﾈｰｼﾞｬｰをしているハジメが言う。
「ね……３０度以上もあるって」
「しかも今日ｺｰﾁが来る日だから練習ハードだね」
「ポカリ沢山つくったげよ」
部室へやかんを探しに急ぐ
ｶﾞﾗｶﾞﾗ…………
「やかんやかん………………あれ？この前はそこのロッカーの上にあったよね？」
「え、ないね」
イスに登ってみてみる
ｶﾞﾀｶﾞﾀ……う、ホコリすごい積もってる。今度ちゃんと掃除しよう。
ロッカーの上を見渡してみるがやかんは本当に見当たらない。
「どうしよう、ほんとにないよ」
「じゃあ誰かが持っていったのかな」
「そうかもね…、」
グランドに探しにでたとたん日光がギラギラと照りつけてくる。
「丸焼けになりそ」
グランドにはまだ人影がまばらだった
きっと少しでも室内にいたいのだろう
「やかん持ってきた人いますかー？」
「おっ、マネージャー早いな」
今グランドにでてきた山本が私たちを見つけて声をかけてきた
「山本、やかんみなかった？」
「やかん…？ねぇの？」
「誰かがもってるかなと思ったんだけどなくてさ」
「じゃあ俺も見なかったかきいてくるな」
ありがとう、というと山本はすごい勢いでどこかに行ってしまった。
「ハジメ、私もう一回部室みてくるね！」
「わかった。私も他のところ探すから」
さっき来た廊下をまた戻る。教室からは吹奏学部の人たちが準備している音が聞こえてきた。
グランドからは大声が響いてくる。もう練習がはじまったのか……早くみつけないと。
長い廊下がやっと終わり、野球部の部室がみえてきた
部室に入り、さっきみたロッカーの上をまた見てみてもやっぱりやかんはなかった。
（……ロッカーの中とかにはいってないかな）
そこらへんをかきまわしてみてもみつからない。もう半ばあきらめかけて手を休めた時、更衣室のほうからなにやら大きな、物を蹴っているような音が聞こえてきた。
（……………もしかして…………イジメ？）