REBORN!

□思い出クラシカル
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俺は入江正一を探して走った



十代目を救うため

仲間を救うため

未来を救うため

入江正一がいなければ、少しなりとも未来は変わる

このままじゃまた十代目がいなくなってしまうかもしれない



殺すんだ。

幼い自分ができなかったことを

かわりに、俺が



十代目の償いを



あのときすくうことができなかったから

いちばん大切な人

自分の敬い慕うべき最強の人

だれより強く
だれより優しい

そのやさしさであなたは命を落としたけれど



しなくてはならなかった決断を迫ったとき



あなたはやさしい強さを持って

ご自分を犠牲にして





そのときの顔をいまでも鮮明に覚えています




心に鉛がうめこまれているように

呼吸をするほど

心臓が動くほど


“死”という鉛はどんどんどんどんこれでもかというほど食い込んできて

やがてそれのもつ黒い力は俺の躰を蝕んでいって



気が狂う



俺は全力で走った

それゆえの息切れ

心臓からの全身に血を送る動きさえ

俺を少しずつ狂わせてゆく


それらは自分が生きているという証なのだから


もうどうしようもない鋼鉄の束縛





十代目を救うため

仲間を救うため

未来を救うため


なんてもっともらしい理由をこじつけて



俺は、弱いから



一番の理由は




自分の心から逃れるため





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