戦国上等

□伝説
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結局昨日までと同じルートを別に進むことになった。

斬りつけ、よろけた相手を蹴り飛ばす。




「今日はよかったの?」

「政宗に、か?」

「うん。」




龍刀を鞘に収め、懐から地図を取り出す。




「向こうは仕掛けが分からない以上、私たちよりももう一人の政宗を捜すだろ。」

「成る程ね。」

「それに・・・、様子を見に来てる奴もいるみたいだし。」

「へ?」




少し離れた木を一瞥すると、柚麻は走り出した。




「さっきの・・・」

「この先に階段があるかもしれない。」

「柚麻、人の話・・・」

「聞いてない!行こう。」

「・・・聞いてるじゃん・・・」




日も暮れてしまった。できればここで決めておきたい。このペースなら政宗に追いつける。




「あれ、階段じゃない?」

「!」




相手と押し合う刀の力を緩めず、示され方向に目をこらす。




「あれだ・・・。」




刀を傾け、相手の刀が滑った隙に峰を叩き込んだ。




「政宗もそろそろ・・・後ろ!!」

「!?」




成実の後ろで刀が光った。




「・・っ!!」

「!」




とっさに成実の服を掴み、引き倒す。




「っ!!」

「柚麻!?」




肩に走った痛みに顔を歪ませ、ほぼ空振りでがら空きになった相手に刀を振るう。距離を開けた男を成実が切り伏せた。




「一回、戻・・・」

「深くない、大丈夫だ。」




服を切り裂き、成実に止血を頼んだ。今、政宗達だけで本陣に行かせるわけにはいかない。




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