戦国上等

□掴んだもの
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朝日が起きろと急かす。布団を引き上げるも、太陽は待ってくれない。





「!」




布団から顔を出すと、影が落ちてきた。

咄嗟に枕元に置いておいた刀に手を伸ばす。





「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

『・・・。』





見つめ合うことしばし。




「いや・・・、え?どういうこと?」




無言に耐え切れなくなり、やや間抜けな声を上げてしまった。




「・・・え?風魔さん?」

「・・・。」

「はい?何が違うって?」

「・・・。」

「いや、そんなにじっと見つめないでほしいんだけど。」

「・・・。」

「え、あ、ごめん。大丈夫。見つめられても大丈夫。」

「・・・。」

「・・・えっと、おはようございます?」

「・・・。」

「あ、違うの。」




口元だけでどうにか読み取る。




「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

『・・・。』




再び見つめ合うことしばし。




「ごめん、誰か通訳来てくれない?」




柚麻は戸を開けた。




.
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