落乱小説

□笑っちゃダメ!
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「あ…あのー」

金吾と二人で夕飯を食べていると一年生が声をかけてきた
名前は知らないけど顔は見たことがあった

「はにゃ?どうしたのー?」
「皆本先輩に…」

おどおどとした後輩になるべく優しく声をかけると、自分ではなく隣にいる金吾に用があるようだ

「金吾?」
「俺?」

自分に用があると聞いて、金吾は驚いたような顔をしていた
金吾が後輩から声をかけられることは少ない
特に一年生や二年生などの低学年などはめったにない
理由は簡単
金吾の顔が怖いから
僕はそんなことないと思うんだけど…
前に一つ下の後輩に…

『皆本先輩ってカッコイイけど話しかけずらいですよね』

って言われてた
なんで?って聞いたら

『いや、笑ってるとこあんま見たことないんですもん』

って…
その時はそんなことないよーって言ったけど、言われてみればそうかもしれない
金吾は真面目だから授業中でも訓練中でも滅多に笑わない
僕やは組のみんなとふざけてるときは一緒になって笑ってるけど
今だって自分に用があるって言った後輩をずっと見てる
眉間にシワを寄せながら…

「金吾睨んじゃダメだよ」
「え…別に睨んでないけど…」

一年生に聞こえないように金吾に言った
睨んでないって…一年生半泣きなんだけど…
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