落乱小説

□お前なら笑顔で人を殺せるよ
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「見つけたよ きり丸」
「…はえぇよ」

なんでかわからないが、三冶朗はすぐに俺の居場所がわかる
これでも気配を消すことには自信がある
しかも普通の人間には入ったら抜け出せないほどの森の奥深くまで来るのに

「今日はどうしたの?喧嘩でもした?」
「…別に」
「嘘 きりちゃんがこんなところまで来る時はいつもなんかあるじゃない」
「…なんもない」
「…そう ならなにもなかったんだね」

俺の隣に腰掛け、いつものふわりとした笑顔でこっちを見る
けどその笑顔は傍から見れば可愛らしい笑顔だけど、俺には怖かった
俺だけじゃない
三冶朗のことを昔から知ってるは組の連中ならみんなそう思っただろう

「…なに怒ってんだよ」
「怒ってなんかないよ?」

嘘だ
三冶朗は普段温厚で滅多に怒らない分、いざ怒ると本気で怖い
あの庄左ヱ門ですら適わないほどに

「わかったよ…乱太郎と喧嘩した!それだけだ」
「やっぱりね」
「って知ってたのかよ」
「伊助に聞いたんだよ 乱太郎が元気ないって」

流石は組の母ちゃん
俺や乱太郎の元気がないことにすぐ気が付いたようだ

「それで?なんで喧嘩したのさ」
「俺は悪くない」
「どうせまた怪我でもして乱太郎に起怒られたんでしょ?」
「…なんでもお見通しかよ…」

伊助が母ちゃんだとしたら三冶朗は長女といったところだろうか
結局は皆この2人には適わないのだ

「っていうか…いつも思うけどなんで俺の場所がわかるんだよ」
「えー…勘」
「…か…」
「あとはその辺の人たちに聞いたり」
「…アノ方タチデスネ」

勘の鋭さはは組一
そして霊感の強さもは組一なのだ
それが余計に怖いのだ

「さぁそんなことより早く帰ろう もう夕飯の時間だ」
「…」
「早く帰らないと、皆寄ってくるよ?」
「いや…帰ろうか」

別に怖いだけじゃない
ソノ人たちと仲良く喋る三冶朗が怖いだけ
だって一人でにこやかに喋ってんだもん

「なぁに?きりちゃん」
「なんでもねぇよ」

それでも
どこかに行けば迎えにきてくれるし
こっちから言わなくても察してくれるし
なによりその笑顔が安心する

「三ちゃん好きになっちゃいそう」
「やめてよ きりちゃんには乱太郎がいるでしょ」
「ああ悪い お前にも兵太夫がいたな」
「そう 僕にも君にも大事な人がいるんだから、あんまり無理しちゃ駄目だよ?」
「へいへい」



三冶朗 サンキュ

どういたしまして




END

乱きり、兵三前提の三+きりです
きりちゃんはなにかあるとすぐに一人になりたがる癖があって
でも気配を消すのはうまいし森の奥まで行っちゃうので滅多に見つけられない
けど三冶朗は勘とある人達の協力のもとすぐに見つけてしまう
そんな感じなんですねぇはい

…ぐだぐだすいませっ…!

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