Solitary light
□仕舞う心
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祐希side
その夜は、全然寝付けなかった
「陸斗さん、」
小さく、響く自分の声
少し離れたもう一つのベッドに眠る陸斗さんは、起きる様子はなくて
「っ、」
認めたくなかっただけだったのかもしれない
気付いた時、驚きよりも、そうか。と。
同時に、最低だと思った。
こんなことを、思っていい立場じゃないのに
陸斗さんは、ただ善意で俺を置いてくれているのに、俺は、こんな事を。
「も、泣きなくないのに、」
絶対に、言っちゃいけない
本当なら、思う事だって許されないのだ
そばに居られるだけで、俺は幸せなんだよ
それだけで、俺、充分でしょう。
もったいないくらい、幸せでしょう。
「そう、でしょ、?」
明日から、ずっと奥にしまっておこう
知られないように、困らせないように。
ぽたりと、シーツに涙が落ちた
笑って過ごして、それで陸斗さんも笑ってくれたら
それだけで十分に、俺は幸せだ