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□ひと休みの日
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「けほっけほっ、」
中々寝付くことが出来ないまま、気付けば朝になっていた
閉めてあるカーテンから少し漏れる外の明るさ
そして7:00の表示の時計
部屋には全く効力を成さない加湿器の音と、うるさい咳
それと、
『また接近している台風の影響により、今晩から翌日早朝に掛けて更に強い風と雨が予想され……』
テレビから流れるアナウンサーの声
台風、か。通りで。
ベッドに入っているのに、どこか肌寒かった
高熱が出てるわけでも頭痛や腹痛が酷いわけでもないけれど、息苦しさとどこか重い身体が気怠い
今日は大学に、夕方からのバイトもある
祐希の晩飯も作ってかないと
こんな疲れてる暇、ないのに。
―翔太はどうした、今日は家族全員で顔を出す日だと言ってあっただろう
―はい。ですが先程気管支の……
―っ、またか。本当にあいつは。足を引っ張る事以外に出来ないのか
「ちょっとだけ、」
あと少しだけと、寝付けもしない目を閉じ布団を深く被った