another story
□たまには
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陸斗side
ある夕方。
午前中の会議だけ済ませてかえってきた俺と祐希は部屋でゆっくりしていた
ソファーで雑誌をめくる俺の隣に座る祐希はテレビに映る映画に夢中。
この前翔太が話していたファンタジー物の映画を買ってみたのだけど、当たりだったようだ
「あ。翔太、呼んで来ましょうか」
翔太もきっと見たいでしょうし。そう付け足す
「ん、そうだね。俺、呼んで」
「あぁいいですよ。俺行きますから」
そう言って腰をあげかけた祐希をソファーに戻した
呼びに行くと言いながらもずっとテレビに釘付けな祐希
それに思わず笑ってしまう
「では少し行って来ます」
「ん、ありがと……」
返事も曖昧な祐希をリビングに残し部屋を出た
映画を観終わったら外食にでも出ようか。最近翔太にずっと作らせてしまっていたし
確か、今日はバイトも大学も休みなはず。
でも今日一度もこっちに顔を出していない
遊びに出てるのかな。
翔太の部屋の前まで来ると、迷わずに鍵を開けた