詠-uta-

□薔薇花火
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殺して
殺して

殺して
殺して

そう言った
行動なのか
願望なのか


分からなかった
解りたくなかった


殺してしまいたい
殺して欲しい


矛盾した想いが渦巻く
直球するの思いが貫く


鎌を振りかざす
この体躯に似合わない
大きな刃


ねぇ
笑いなよ


本望でしょ
殺されるのは


泣いてはいないのに
なんで笑わないの


一分の隙も見せない
その躰に似合わない
小さな銃


もう
止めよう


その鎌を持つことさえ
困難だろ


そんなに泣いて
前が見えないだろ


泣きじゃくる面
困り果てた顔


これで終わりにしよう
これを始まりにしよう


赤い液体に染まる前に
紅い液が飛び散る前に


止めることを知らない刃
止まることを知らない弾


真っ白な絨毯は
真っ赤に染まる


紅い薔薇
赤い花火


放った大輪は
夏の夜に
儚く燃える



2009/6/19

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