詠-uta-
□薔薇花火
1ページ/1ページ
殺して
殺して
殺して
殺して
そう言った
行動なのか
願望なのか
分からなかった
解りたくなかった
殺してしまいたい
殺して欲しい
矛盾した想いが渦巻く
直球するの思いが貫く
鎌を振りかざす
この体躯に似合わない
大きな刃
ねぇ
笑いなよ
本望でしょ
殺されるのは
泣いてはいないのに
なんで笑わないの
一分の隙も見せない
その躰に似合わない
小さな銃
もう
止めよう
その鎌を持つことさえ
困難だろ
そんなに泣いて
前が見えないだろ
泣きじゃくる面
困り果てた顔
これで終わりにしよう
これを始まりにしよう
赤い液体に染まる前に
紅い液が飛び散る前に
止めることを知らない刃
止まることを知らない弾
真っ白な絨毯は
真っ赤に染まる
紅い薔薇
赤い花火
放った大輪は
夏の夜に
儚く燃える
2009/6/19