Mystery magic.

□FILE2.意外な目撃者
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「も、もしもしっ!?」
『よォし・・・、次は都営新宿線に乗り、山手線新宿駅の13番ホームの電話に15分後だ』
「さ、さっき、転んでバッグを溝に落としちゃったんだけど・・・・・・」
『溝に落とした・・・・・・!?』
『おい、テープは無事か・・・・・・!?』
『馬鹿野郎ッ!
 テープがお釈迦になった方が好都合なのを忘れたか!?』



その返答に、ふぅん、と心の中で呟く。
でもコピーあるもんね、と同じく思いはしたが。
数分後、ブツリと再び切れた電話に、溜め息を吐いた。



「定期買ってて良かった!」



―――叫んだ言葉はどうでもよかったが。
そしてふと、後ろを振り返る。
思わず溜め息を吐き、数歩歩いて、コナン君、と呼び止めた。



「ゆ、あ、青子姉ちゃん!」
「もうちょっとバレない尾行の仕方しような、コナン君」
「え、えへへへ・・・・・・」
「ついて来たなら仕方ないけど、次の指定場所行くよ」



そう言うと、コナンの手を取り走り出した。


























「さぁて、どうするか・・・・・・」
「なぁ祐、デモテープの内容とその時一緒に流れてたラジオの内容、分かるか?」
「デモのコピーはコレ。
 たまにいずみちゃんが僕にデモテープを聞かせに来てくれるから一応全部コピーは取ってるし、家にCDもある。
 内容は確か・・・、“昇円寺”の前を通った時に思い付いた、と・・・か・・・・・・
 ってまさかいずみちゃん!?」



慌ててテープと記憶を頼りに思い出し、歌詞を書き連ねる。
文字に書き写される証拠に、うわぁ、と思わず額に手を当てた。



「あっちゃー、目撃者だ、コレ」
「なるほど、それでさっきの電話・・・・・・」
「工藤、気付いてはいると思うけどやっぱり尾行されてるんだよ。
 ・・・・・・どうする?」
「祐の代わりに俺が行く。
 多分もう1、2回掛かってくる電話で預けた、って伝えてくれ」
「分かった」



デモテープのコピーは預かるから、と言うコナンに頷き、目的地へ降りた。



「え、青子じゃダメなの?」



頑張ったのにぃ、と青子の真似をしながら言う祐樹。
じゃあ、と小さく笑みを浮かべ、言う。



「傍にいて、何故かついてきちゃったメガネの男の子に渡すね!
 鞄は投げ捨てていいの?」
『あぁ、それでいい』



頷く声に、分かったぁ、と明るめのトーンで話す。
そして―――。



「あっ、電車が!」
『乗れ!』
「う、うん!
 行くよ、キミ!」



慌てて手を引き、走り出す。
―――が、コナンは躓いて転んでしまった。



「!
 コナン君!!」



完全に閉まった扉をガンガン叩くが、開かない。
諦め、発射して暫くしたところで―――。



「っえい!」



鞄を投げ捨てた。











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