短編

□冬恋
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学校が終わって寒すぎる帰り道を歩く。異常気象なんじゃないかって思うぐらいに寒い。
それに今日はマフラーをうっかり忘れてしまった。私の首元寒くてかわいそう。
暗いし怖いし寒いからいつもより早めに歩く。

ふと少し立ち止まって息を吐いてみる。
やっぱり吐く息は白くて余計に寒さを感じさせるだけだった。
なんだかそこから動く気になれなくてそのまま突っ立っていたら、首に温もりを感じた。首元を触ると首に誰かのマフラーが巻かれていてびっくりして振り返るとそこには財前くんが居た。
これまたびっくりな訳でしばらく放心状態でいたら財前くんにしれっとした顔でなん、って言われた。











「え、財前くんなんで?マフラー?あらら?」

「大丈夫か。」

「お、おん。たくさんびっくりして混乱してきた。」

「脚寒そう。」

「めっちゃ寒いねん。あ、それよりこのマフラー財前くんの?」

「おん」

「えっ、なんで!?」

「首も脚も出して見てるこっちが寒いわ」

「財前くんありがとうとてもあたたかいです」

「それはよかったな」











嬉しくてへらっと笑ってみたら財前くんも笑ってくれた。
気付けば財前くんの大人っぽい笑顔にノックアウトされていた。











冬恋















2011.01.23 企画提出
 

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