小話

□※赤金
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レッド×ゴールド





行為が終わった後とはこうも焦燥感が募るものだったのか。

すぐ近くで交わる吐息を感じながらゴールドは溜め息を漏らした。

今だ熱く熱を持った体が煩わしく、シャワーなり何なり浴びたいと思うが。

それさえ億劫に思えるからどうしようもない。

まあいずれにせよ自分に覆い被さったまま終始無言の少年がいるので動けないが。


ゴールドは汗で額に張り付いた前髪をかき上げると、自分より幾らか年上の先輩を見上げた。


「…レッド先輩」

名を呼ばれると少年、レッドはびくりと体を震わせて目を伏せた。

彼の前髪が頬に当たってくすぐったいと思いながらゴールドは苦笑する。


「…もしかして後悔してるんスか?」


オレとしたこと。

そう事も無げに言ってのけたがレッドからの返答はなく。
代わりに違う答えが返ってきた。


「こんなことしてゴメン…」


レッドの言葉にゴールドの瞳は大きく揺れる。

「……何で謝るんスか?」


誘ったのは自分のほうからで、レッドは悪くないのに。

何故か彼は謝る。
それも酷く傷付いたような表情で。

ゴールドは内心泣きたい気持ちになるのを堪えながら、レッドの頬に手を伸ばし撫でた。


「…先輩」

「オレ、先輩のこと好きです」

「だから大丈夫ッスよ?」


やはり先輩と後輩という枠を越えることは許されないのだろうか。

ゴールドの言葉はレッドの表情に一層暗い影を落とす。



それでもゴールドは精一杯笑って言葉を紡いだ。



もう引き返せなくても構わない、と。


「レッド先輩となら俺は……」



(堕ちるところまで堕ちてしまっても良い)



END 

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精神的にはゴーレで良いと思う。
090306

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