小説(長編)

□第7章 緑の国と黄色い物体
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「いや、正確に言えば四季はあるんだ。ただ、それが反映される国とされない国で差があるって感じかな?」

「反映……」

「あぁ。そうだ」


リオンの説明によると、どうやらこの世界の国は同じ世界にあって、同じ世界にないような感覚らしい。

例えば、この緑の国と隣接している冬の国での気候は全く違う。緑の国は1年中温暖な気候に包まれているが、1歩冬の国に入ると極寒の寒さに襲われる。
国と国の間には見えない『何か』があるように国同士が独立している、と言うのだ。


「……何だか不思議だね」

「まぁな。でも俺達にとってはそれが普通だし」


天音は初めて聞くこの世界の複雑な環境に対し、非常に混乱した。余りにも自分のいた世界と違うからだ。
しかし、そればかりを気にしても仕方ないと割り切り、最後の団子を手に取り口に含んだ。

口内に甘い団子の味が広がり、無意識に思考を弛ませる。
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