小説(長編)

□第6章 『女神の裁き』と勾玉
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驚くと同時に、有り得ないとも思った。この世に生を受けて僅か3年しか経っていない子どもを大人達は恐れ、迫害したと言う事が天音には衝撃を与えたのだ。


「……馬鹿みたいって思うでしょ? でもね、この世界ではそうなのよ。何かに“憑かれる”ってことは、ね……」


自分より巨大な力を持つ者に恐れを感じるのが人間。そして、それを認めないのも、それを仲間認識しないのも人間なのだとソプラは続けた。


「余りに巨大な力は畏怖の対象となる。そして、それが操れそうになり未熟な者が持っていた場合、人はどうすると思う?」


ソプラから滲み出る殺気、射抜くような鋭い目に睨まれて天音は知らず知らずの内に息を呑んだ……。
ソプラは嘲笑うかのように鼻で笑って言う。


「結局、自分達と違うから迫害してしまうのよ」
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