小説(長編)
□第5章 2番隊副隊長
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そんな天音の心情を見通してか、木陰に腰を下ろしていたリオンが苦笑して告げてきた。
「ナギサは2番隊の副隊長だ。言っとくけどかなり強いぜ?」
「え!? ナギサちゃん副隊長さんなの!? 凄い……」
人は見掛けによらないと言うことを天音は学んだ。こんなに小さいナギサが副隊長とは、未だ信じがたいが。
「えと……、天音さんでしたよね? まずは基礎的な事から初めましょうか」
「あ、はい! よろしくお願いします!」
ニコリと年相応の愛らしい笑みを浮かべて、ナギサは天音に見ててください、と声を掛けた。
「まずはこれを作ってください。これが魔法の基礎になりますから」
そう言ってナギサは自身の右手に魔力を集中させ、水の球を作り出した。ぷよぷよと水の球は形を変えながらナギサの手の上に収まっていた。