小説(長編)

□第6章 『女神の裁き』と勾玉
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照りつける太陽の光から隠れるように木陰に来た4人。地面はひんやりとしていて心地良い。
そんな中、ソプラは口を開いた。


「……今から約21年前、ある少女に『闇』がとり憑いたの」

「『闇』、ですか……?」

「そう。それは『闇』としか形容出来ないモノ。姿形は誰も見たことがないけど、それを形容するなら『闇』しか言いようがないモノ。それに少女はとり憑かれたの」


ソプラは懐かしむように、憐れむように慈愛の表情を浮かべながら語り出す……。


「そのとり憑かれた子は異端児と言われ、親から、村から、……国から迫害されたわ。まだその子は年端もない3歳だったのに……」

「迫害……」

「そう。幼い少女に向けられるのは畏怖と憎しみの瞳。そして、馬鹿みたいな理不尽な理由での暴力と迫害……」


天音は驚きの余り、声を出すことが出来なかった。
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