恋文
□6) 告白
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初めてキミと向かい合って、僕はずっと落ち着かなかった。
ずっと想い続けてきた人が今目の前にいる。
キミの笑顔を間近で見ていられる幸せ。
それと同時にこれから後に来ることへの不安もあった。
この日僕は、告白する。そう心に決めていた。
優しいところが好き。
素直なところが好き。
努力家なところが好き。
悩んで立ち止まったとしても、また歩きだすキミが好き。
しっかりしていて強いようでいて、時々とても弱々しくなるキミを支えたい、守りたいと思った。
絶対にキミのことをずっと幸せにする。
誰よりも大切にする。
伝えたい想いは山のようにあった。
でもキミを前にして、僕が言えたのはありきたりでたった一言の言葉だった。
「キミのことが好き…… 僕と付き合ってください……」
極度に緊張していた僕の、精一杯の告白でした。