恋文
□4) 笑って
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キミのことが好き。
この気持ちを伝えたいと思った。
でも今の僕にはそれは無理。だって僕はキミの本当の名前も顔も知らないから。
そんな僕が気持ちを伝えたところで、この想いが伝わることはない。そう思った。
想いを抱えたまま、月日は流れていく。だんだんとキミと仲良くなっていくことが幸せだった。
でも、時折キミは辛い過去を思い沈み込む。
キミが1人で泣いていることが耐えられなかった。
笑っていてほしい。キミにはいつも、笑顔でいてほしい。
真剣に、そう思った。
今僕に出来ることを必死に考え、思いついたのはキミに「絵」を贈ること。
僕の取り柄はそれしか思いつかなかった。
キミに笑っていてほしい。
そんな願いを込めて……。