過去拍手

□ラビュ(2010.3
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小六、三月―――


「そっつぎょーおめでとうさー!!」

「おめでと、」

「ついに俺らも春から中学生!ついに、ついに!あこがれの!」

「あこがれすぎだろ」

「だって小学校長いんだもん。あこがれるのもしかたないさ!」

「あっそ」

「むぅ…あ、ユウさ、中学生になったら何やりたい?」

「……、剣道?」

「え、今もやってんじゃん」

「部に入りてぇんだよ。今までなかったじゃねぇか」

「まぁたしかに」

「そんでもっと大会に出て、優勝して、日本一になるんだ!!」

「がむばー」

「………」

「いでっ!ごめっ、うそ!めっちゃ応援してるさ!ホント!ユウちゃんがんば!!」

「ちゃん付けで呼ぶな!!」

「ったぁー……ユウひでぇ」

「おまえが悪いんだ」

「ごーめんーなさいっ!」

「…まぁ許してやろう」

「へへっ。これからもよろしくな、ユウ!」

「あぁ」






中三、三月―――


「すげー、卒業しちゃったよ。どうしよユウ」

「何がだよ」

「いや、何もないんだけどさ、三年って意外と早いんだなーと思って」

「それ年寄りみてぇだな」

「え、酷くね?」

「んなことより、」

「無視ですか」

「ちゃんとした理由を聞かせてもらおうか」

「へ?何の??」

「とぼけんじゃねぇぞ。テメェなんで俺と同じ高校にした」

「あーなんだ。そんなことか」

「そんなって…!"そんな"じゃねぇだろ!お前の頭ならトップ校だって狙えたはずだ」

「だってユウと離れたくなかったんだもん」

「はぁ?」

「それだけさ」

「お前そんなんで夢諦めんのか!学者になるんだろ!?」

「なるよ。でも大学なんて別にトップ校からじゃなくても行ける。違う?」

「それは…」

「ただ道幅が狭くなるだけさ。……あーもう、ユウが気に病むことじゃねぇって!全部俺が決めたことだし!なっ?」

「…納得いかねぇ」

「まぁまぁ。ユウは深く考えすぎなの!これからも頼むぜ相棒!」

「………」

「また一緒にバカやろうさ。まぁまずは高校入って野郎含め何人ユウの虜になるか数えるってのは」

「死ね。今すぐ死ネ」

「ゴメンナサイ。嘘デス」

「ふんっ」






高三、三月―――


「高校ももう終わりかー」

「早かったな」

「うん。やっぱユウと同じ学校選んでよかったさー!すんげー楽しかったし、恋人になれたし!」

「…バカじゃねぇの」

「バカでいいもーん。あ、そういえば、ユウ就職決まった?」

「あぁ、なんとかな」

「そっかぁ。おめでと!これで俺も安心できるさぁ!」

「ふっ。大袈裟なやつだな」

「だって四月からユウの傍にいられなくなるんだもん。仕方ないさ」

「……本当に行くのか」

「うん」

「…お前が、決めたことなんだよな」

「うん」

「なら仕方ない、よな」

「行かないで、とか言わないんさ?」

「愚問だな。結局テメェは一人で突っ走るじゃねぇか」

「そうかな」

「中学の時もそうだった」

「高校決める時」

「そうだ」

「でもあれはユウがいたから」

「次はいない」

「…」

「…」

「…ユウ」

「何だ」

「ごめん」

「今更」

「じゃあ…ありがと」

「……」

「でっ!!」

「一発殴らせろ」

「なんでさ!つかもう殴ってんじゃん!」

「うるせぇ」

「ユ、」

「行ってこい。それで沢山学んで、立派になって帰ってくればいい」

「…うん」

「俺から離れたこと後悔すんなよ」

「あー…それは無理」

「あ゙ぁ?…っ、なに」

「ネックレス、てゆーか指輪。チェーンに通したんさ。ユウなら指に嵌めるの恥ずかしがるだろうなーと思って」

「お前…」

「ほら、俺とおそろい」

「じゃなくて」

「俺はユウから離れるつもりないよ」

「…」

「あ、アレ言えばいい?僕たちは同じ大空の下繋がっているーとかそんな感じの」

「臭ぇよ」

「だよね」

「……」

「ちょっと身体が離れるだけ。ココはちゃんとユウの隣にあるさ」

「…それも臭い」

「え、マジ?けっこー考えたんだけど」

「はっ!考えてそれかよ。臭ぇ頭してんな」

「あれ?毎日風呂入ってんのにー」

「違ぇって!」

「あははっ!」

「…」

「…」

「…、明日何時」

「18時38分発」

「じゃあ空港まで」

「いいよ別に」

「行かせろよ」

「いいって。俺泣いちゃう」

「勝手に泣いてろ。行くからな」

「…ハイ。帰り何する?」

「蕎麦食いてぇ」

「うん、じゃあ行こっか」

「あぁ」




残り僅かな時間を君と共に!
(特上天ざる2つで)
(え、それもしかして俺持ち?)
(当たり前だろ)
(店員さーん!今のなしで天ざる二つ!!)



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イメージはラビの海外留学話。
管理人的にはドイツあたり希望です。
結構あっさりしてんじゃないかなーとか思いながら書いたんですが……あっさりしすぎた?;;




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