「笹塚さん!私のことどれくらい好きですか?」
切羽詰った様子での問いかけに、笹塚は一瞬面食らって、それから弥子をまじまじと見た。
「なに、どーしたのいきなり」
「ちゃんと答えてください」
あまりにも真剣な顔をするので、彼は弥子の瞳を見つめたまま、慎重に答えた。

「新聞の一面飾る覚悟は出来てる」

その場合はたぶんスポーツ紙だ。
そんな彼の心情を読み取ったのかどうかはさて置き。
弥子は嬉しそうに笑った。

「私も笹塚さんとなら一面飾っても後悔しません…!!」

抱き付いてくる弥子の背中に腕を回しながら、笹塚は彼女に気づかれないように小さく吐息する。
(…名前出るの俺だけだと思うけど。つーか、既に弥子ちゃん何回も一面飾ってるんだよな…)
スポーツ紙だけど、とまた馬鹿みたいに考えて。
それでも浸っている彼女の気持ちを最優先して、く、と喉の奥で笑うだけにしておいた。
「笹塚さん?」
「ん、なんでもねーよ。弥子ちゃん」
不思議そうな表情をしている弥子の額に唇を寄せて、彼は笑う。
この幸せな時間が、出来れば長く続くことを祈って。


***ちょっと軽めに短いものを。
スポーツ紙の一面といえばゴシップ記事だと思うの私だけ?
そりゃ、本当にスポーツで凄いコトあった日にゃ別ですが。
20090430

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