□拍手お礼3
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密やかに零す吐息の意味を、彼は確実に理解してくれているだろうか。
理解してなかろうと、己の行動に変化はないから、解ってくれと心の中で小さく小さく、囁きかけるだけで。
実のところ、どちらでも構わないのだと訴えている感情は、もう全て闇の中だ。

好きだと思う。

別に自分がMだとは本気で思っちゃいないから、日々受ける暴力的なまでの虐めの数々も、甚だ不本意で。
けれど、相手は真性のSだと思うから、満足するならそれでもいいか、なんて。

呆気なく答えを出してしまう時点でもう既にMなのだとは…受け入れがたい事実だ。

手が、伸びてくる。
それを避ける事もせずに、ただ、なすがまま。
後頭部に添えられた手は、別にそのまま引きずり回して床掃除をするつもりではなかったらしい。

きょとんと。
硝子玉のように澄んだ真っ直ぐな瞳で、彼を見据える。
不思議な事に、いつもの高圧的な態度は欠片も見えなかった。

だから、瞼を下ろした。


理由なんて単純だ。


「私、あんたが好きなんだよね、ネウロ」


絡まった舌から送られる体液で、内臓が溶けたって別に構わないや、と思った瞬間、彼が降伏の白旗を揚げた。

***
初ネウヤコ。
って、どの辺りがネウヤコなのかよくわかってませんよ(爽)
20071114

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