蒼煌水晶

□気付かぬ心
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(…あぁ…そう言う事か…)
何となく項羽は小龍の状態を把握した。小龍は未だ『好き』と言う感情が分かっていない。分かり兼ねている。だから一人で苛立つ。
項羽はそんな小龍を更に愛しく思い、小龍の冷たい頬に手を当てた。手の平に熱伝わり、項羽は予想以上に小龍の躰が冷えている事に気付く。

「…小龍……」
小龍の額に張り付く前髪を項羽は優しく掻き上げて、寒さに震えている小龍の躰を優しく抱きしめやった。

「…っ!…何する…!」
逃げようとする小龍を項羽は逃がしたりしない。



『お前が大切なんだ…』



耳元でそう囁き、項羽は続けて頬にキスをする。小龍は項羽の言っている意味が分からないと視線を送った。



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