蒼煌水晶

□気付かぬ心
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小龍の心にはもやもやとした物がずっとあった。
それが何なのか小龍には知る術が無い。

ただそれは重くて、痛くて、辛い。いらない物。汚らわしい物だと思っていた。

『いらない子』
『項羽のコピー』

そういう中傷や自責の念とはまた別系統の痛み。だから、小龍には自分で自分がわからない。

この思いが何なのか―――。















「小龍…!」
微かに聞こえた声に驚いて振り返れば、そこには兄の項羽が傘をさしながらも忙しなく肩を上下させていた。
「…こ……う…う?」
ポツリと零れた言葉に、項羽の表情は一瞬安らいだものになるが、直ぐに険しい物に変わった。



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