長月夕様
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ほんの少し前まで、見下ろしていたのは私の方だった。
よく、私の服の裾を引っ張って、見上げてきた金の瞳。
それが今では…―――
「…働き過ぎだ、馬鹿。寝るまでぜってぇ手離さねぇからな。ベッドに縫いつけてやる」
私を見下ろす金の瞳
手首を抑える骨ばった大きな手
抵抗を許さない歴然とした力
嗚呼、この子はいつから私の知らない男の人になっていたのだろう。
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