アスカ様
<<
*<
>#
>>
間に合わないと思った。迫ってくるアクマの鋭い爪に、引き裂かれると思った瞬間、強引な力に体が引っ張られ、アクマの攻撃は急所からそれた。
「おい、何やってる」
不機嫌そうな声に、不思議と痛みは和らいで笑ってしまった。
「…何笑ってる」
「だって、あなたらしくないじゃないですか。仲間を助けるなんて」
「馬鹿言うな。お前が死んだら、始末書書くのが面倒なだけだ」
あらまあ。でも、紙切れ一枚分の友情くらいは感じてくれているのでしょうか?
先ほどより強くなった腕の力に安心して、私は意識を手放した。
[戻る]