「“いま、アナタは恋をしていますか?”」
は?と目の前にいる黒子くんは珍しく間抜けな声を上げた。 ほらこれ、と読んでいた雑誌をみせると、心理テストですか、と彼は雑誌をのぞきこんだ。 先ほど友達がこれ当たるって噂なんだよ!と見せてくれて。 やった子たちはホントにその通りだったと言っていて、終いには結果に従って告白したらOKをもらえたと言う子も居て。 そんな話を聞いてしまうと現在進行形で恋をしている(勿論相手は黒子くんです)わたしとしてはやっぱり気になるわけで。
「ね、ね、どうなの?してる、恋?」 「さぁ…どうでしょうね」 「えー?してるっしょ、その答え方!」 「ヒミツです」 「なんでよー」
ちなみにわたしはしてる!と言うとそんな気がしてました、と彼は薄く笑った。 これ!この笑顔がだいすきなんです! そう友達に力説したところ、わたしは見たことないから分からんと一刀両断されてかなりへこんだのは記憶に新しい。
「でもさ、黒子くんってあんまり恋愛とかに興味なさそう。えっちぃ本とかDVDとかも持ってなさそうだし」 「…君は女子なんですから、そういうことをあっけらかんと言うのはどうかと思いますよ」 「思ったこと言っただけなのに」 「それがいけないんですよ」 「じゃあ持ってる?」 「ナイショです」 「結局教えてくれないんじゃない」
当たり前です、と黒子くんはぱらりと雑誌を捲った。 どうだった?と聞いてみると中々興味深い結果でしたよ、と意味深な答え。 気になるじゃない。
「教えて!ちなみにわたしは“今は様子見。もっと仲良くなったら思い切ってみて!”だった」 「……ボクと同じですか」 「へ?お、同じ?」 「えぇ。ボクもその結果でした。お互い頑張りましょ「黒子くん、好きな人居るんじゃん!」」
わたしの言葉に黒子くんはしまった、といった表情になる。 これは珍しいものを見た。 だれ、だれ?と身を乗り出してみても無言でつっぱねられる。 そんなんじゃ、めげないんだからな! 恋する女子のパワーを舐めちゃいけないよ、黒子くん。
「もしかして、わたし?」 「!」 「あはは!なんでそんなに驚いてんのー?冗談だよ冗だ「そうですよ」」 「…え?」
だから、ボクが好きなのは君です。と言った黒子くんの頬は少し赤くて。 でもそれを夕陽のせいにできるほど淡い色ではなかった。 嘘だ!と言ったわたしに彼は冗談は言えません、と眉間に皺を寄せた。
「君が誰を好きかは聞きません。けど、一応…宣戦布告しておきます、成り行きですけど」 「は、はぁ…」 「いずれ君をしっかり落としてみせます。今の内にボクのものになってしまうという選択肢もありますが、それは本意じゃありません」 「う、うん」 「ボクは心を決めました。明日から本気出すので悔しかったら君も、ボクなんかに構ってないで本気で好きな人を追いかけた方がいいですよ」 「!」
言いたいことだけ言うと、黒子くんはさっさと準備を済ませて部活へ向かってしまった。 わたしはといえば、口元を押さえて俯いて、必死で赤夕陽以上にくなっているであろう顔を隠すのに必死だった。
はじまりの鍵穴 (い、今のは反則でしょ…!!)
※アンケお礼・五千打フリーの黒子っちでした。なんかこう…わたしの黒子っちってこんなイメージで す。相手に好きな人が居ようが居まいが関係ない!的な。
2009.09.03
------------------- みっちゃん宅の5000打フリ―を頂いてきました 色々ご迷惑かけてしまって申し訳ありません(´・ω・`) 有り難うございました!
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