番外編

□声援と握りしめるタオルに、君の勝利を祈った
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負けることを知らなかった貴方は、初めて敗北を味わった



「負けちゃった、ね」


「負けたっスね」



笠松先輩達と別れて2人で帰路を歩く…


涙を流して悔しがった黄瀬くんにわたしは本当に驚いた


負けたことがないというのもそうだが、彼がそんなにバスケを好きなんだということが分かったから



「わたし、黄瀬くんはそんなにバスケ好きなんじゃないと思ってた」


「そんな訳ないじゃないっスか」


「だって、いつもいい加減だしモデルやってるし…そんなに真剣じゃないのかなって」



だけど、それは違ったんだよね



「ごめんね、黄瀬くん」



本当は誰よりもバスケが好きだったんだよね、勝ち続けたかったんだよね



「別に良いっスよ」


「黄瀬くん…」


「謝んないで下さいよ」



そう言って笑う黄瀬くんにわたしは目を細めた



「今回は負けたっスけど、次は絶対に勝ちます」


「うん」


「だから、次も応援頼むっスよ…マネ―ジャ―」


「…当たり前でしょっ」



次の試合には黄瀬くんと同じ黄色のタオル持って行って応援してあげるから



声援と握りしめるタオルに、君の勝利を祈った



勝利の後に見えるのは君の笑顔だったらいいな、なんて…わたしの柄じゃないな




09/09/01


有り難う、アスチルベさま




 

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