1st終了〜2nd前
□目覚め
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「目が覚めた? ティエリア」
覗き込んでいる、少女。
「動いちゃダメ。1か月以上眠ってたんだから。
大変だったのよ。プトレマイオスはボロボロだし、モレノさんも…」
少女の名を、僕は思い出せなかった。
ぼんやりとした頭は、うまく思考を結ばない。
生きて、いる?
生き残って、しまった?
「貴方は、助かったの。ナドレごと、貴方を回収したの」
微笑む少女。
だけど、涙が滲んでいる。
「アレルヤも刹那も、まだ行方不明で…
ナドレとキュリオスの太陽炉は、見つかったけど」
未だ油断すると、薄れかかる意識。
だけど、一つだけはっきりした。
「ティエリア…良かった
貴方だけでも、帰ってきて」
良かった…
少女の言葉を、霞がかった意識の中で、反芻した。
「泣いてるの?」
唇を引き結び、少女は静かに、問いかけた。
彼女の言葉に、彼は目をしばたかせた。
一瞬、理解出来なかった。
泣いている? 僕が?
一つだけ、はっきりした事。
僕が、戻ってきた事。
生きて、戻って来た事。