未来系

□花
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フェルトは部屋で、アレルヤとマリーに話を聞いた。
2人はトレミーから……CBから離れて、地上に降りるとの事だった。

フェルトも薄々感じてはいた。
今の地上には、特に目立った紛争は無い。何よりアレルヤはきっと、マリーを闘いに巻き込みたくはないのだろう。

いつか……またいつか彼等が必要になれば、戻ってくるのかもしれない。
だが、少なくともしばらくの間、彼等に会う事は無くなるのだ。

家族と呼ばれた人々との、別れ。

ティエリアの件に加えて追い討ちをかけるように、フェルトの心に、それは重く圧し掛かった。

体の重みが増した気がして、フェルトは我知らず、腹部に掌を当てた。
下腹部の辺りを、その部分だけを温めるように。

「アレルヤ、ちょっと」
「何?どうしたのマリー」

今まで口を挟まなかったマリーがアレルヤの腕を引き、フェルトと2人で話がしたいと、彼を外に追い出し、扉を閉めた。

フェルトは少し、不安になった。
マリーとは過去のいざこざがあり、互いに嫌ってはいないものの、未だに少しぎこちない。

「あの、何ですか?」
おずおずと話しだすフェルトをマリーはじっと見つめ、聞いた。

「勘違いだったらごめんなさい。フェルトさん、もしかして貴女……」




「他に何か、体調に変化は?」
「えっと、そうですね……」

フェルトの話を聞き、マリーは自分の勘が当たったのだと、8割方確信した。

気にしなければ忘れてしまう程度ではあるが、何となく熱い体と、多少のだるさ。
そして、いわゆる"月のもの"が、少なくともここ一月は無く、ごく微量の出血と痛みが、半月ほど前にあった。



資源衛星に隠れた、CBの宇宙基地。
既に破棄した基地とは別に、新たに建設したものだ。

トレミーの仲間には「体調が悪いから、少し診てもらう」とだけ伝え、マリーに付き添われ、医療施設で検査を受けた。
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