未来系
□発覚!!(2009/04/16)
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かつて計画の要であった、量子演算型コンピュータ‐ヴェーダ
そして、ヴェーダによって造り出された、生体端末‐イノベイター
それが、ティエリアの正体。
だが、その過程で彼は知った。『人間』を。
そしてイノベイターに、『同類』に、彼は反旗を翻した。
今のプトレマイオスには、ティエリアの姿は無い。
だが、彼は生きている。
彼は人類に未来を託し、その為に自分は肉体を棄て、意識のみがヴェーダに残り、今では会話しか出来なくなった。
それがどうしたというのか…
体は器にすぎない。
精神(こころ)を生かす為の
自らの意思を現実する…ただの、道具だ。
彼の意識は...思考は...心は...
ヴェーダの中に、確かに存在する。
だから彼は…ティエリアは……
生きている。生きているのだ…
だけどもう、触れる事は出来ない。
重量級の機体に反して、男性にしては華奢な体格。
それでも十分に逞しく、少し低目の体温は、それでも十分心地よかった。
だけどそれはもう、失われた。
フェルトの身体に産まれた、新たな命。
ティエリアの欠片が今、育っている。
彼の欠片に、触れる事が出来る。
彼は…驚くだろう。きっと…
瞳からは涙が溢れ、止まる気配を見せはしない。
だけどフェルトは、笑っていた。
心の底から、嬉しかった。
数日後、この事を聞いてティエリアは絶句。
思いっきり叫んだのは、やはりヴェーダに意識を移した、彼の半身‐リジェネ・レジェッタ。
数ヶ月後、地上の病院から、無事に産まれたとの知らせが届き、プトレマイオスの住人達は、これ幸いと酒宴を開く。
数年後、再びフェルトがオペレーターの任に就く事を巡って、色々騒動が巻き起こる。
更に数年後、アクアマリンの瞳以外、ティエリアそっくりの少女を巡り、CBを巻き込んだ、恋愛騒動が巻き起こったが…
それはまた別の話。