長い話
□君の世界 第三章〜解放〜
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何時もの時間、何時もの場所で
今日こそは、と
なんとか綱吉の警戒を解こうと躍起になり、結果何時も裏目に出る日が何日も続いたある日、
「きゃぁー!」
「ツナしっかり掴まってろよー?」
「うん!」
「・・・・・・どうして」
「・・・・・・何故」
目の前の光景に、信じられないものを見たかの様に呆然と呟く獄寺と、納得のいかないといった風な骸がただ見つめていた。
「やまもとーっくるくるするー!」
「ははははは!」
綱吉は山本武に肩車されて、ぐるぐると回りながら楽しそうに笑っていた。
「今会ったばかりなのにおかしいだろ!?」
「何故あいつには綱吉君は懐くんですか!?」
「人徳と日頃の行いかなー」
有り得ない!と憤慨する二人にのほほんとジョットは答えた。
二人には無いスキルだ。
この日、ジョットの屋敷を訪れた山本武と初めて会った綱吉は、そのさわやかな雰囲気を持つ彼とはすぐに仲良くなった。
「山本武、合格」
すぱーん、とクラッカーを鳴らし、ジョットはぱちぱちと拍手を送った。
どうやら爺に認可されたようである。
山本はこの日、綱吉と友達になった。
「はいはいはいー!!意義あり!」
「合格って何ですか!?あいつは腹黒だって噂知らないんですかジョット!」
「負け犬共が」
ジョットはその他二人の抗議の声を一声で切り伏せた。