長い話
□君の世界 第二章〜改め〜
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「・・・・・・」
「・・・・・・」
雲雀と綱吉は可愛らしいぬくもり間のある木のテーブルを挟み、見詰め合っていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
無言が続く。
「わーなんだかオミアイみたいだなー」
さりげなくジョットが会話に水を向けようと試みる。
棒読みでさりげなさも無いが。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
綱吉に屋敷から閉め出された次の日。
さっそくとばかりに雲雀は再び綱吉を訪ねてきた。
のはいいが、雲雀も綱吉も昨日の出会いが悪かった為になんとなくどちらからとも声を掛けにくくなっていた。
そんな二人に業を煮やしたジョットが屋敷の中庭でお茶会を開こうと言って強引に椅子に座らせたのだ。
ちらちらと雲雀を窺いながら心の中でどうしようどうしよう、とプチパニックを起こしている綱吉。
昨日はごめんなさいと言う練習を寝る前にたくさんしたのに、いざ本人を目の前にするとどうしても尻込みしてしまう。
それになんだか怒ってるようにも見える。
昨日の綱吉の態度にまだ怒ってるのかもしれない。
雲雀は雲雀でびくびくと怯えて(雲雀にはそう見える)今にも逃げ出しそうな雰囲気の綱吉に、昨日の失敗を繰り返さないためにも泣かせないようにと言葉を考えているうちに無言で相手を見つめるだけの結果になってしまっている。
心なしかイラついてるようにも見える。
それがまたツナに勘違いさせる要因となっている事には気づかない。
「ん、このはとサブレ美味い」
無言の空気に厭きてきたのかジョットは自分のお茶を楽しみ始めた。
試合放棄。さじを投げる。
ツナを泣かせなければそれでよし。
傍観者の方が楽しそうだったので今少し見守ろう。
優雅に紅茶を一口飲んだ。
「しまった・・・緑茶の方が良かったか?」
「貴方少し黙れ」
雲雀に怒られジョットは、やはり緑茶じゃないからいらいらしてるんだな、と勘違いな事を思っていた。