長い話
□にゃんとなくハロウィン
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「ああ・・・興味ない」
思い出したが恭弥にとって、それがどうしたというだけの事だった。
「ふ、この日は幽霊やモンスター、人外のもの達が現れて悪さをするから災いを避けるために子供達はコスプレして身を守るという意味があるんだぞ?」
コスプレという言葉を知っているジョットに入れ知恵したのは間違いなくリボーンだろう。
「悪霊退散」
「うわぁ!何をする!」
トンファーを振り回してジョットの頭を狙ったが、寸前で逃げられた。
まず身近にいるモンスターから退治しなければ。
「え!?モンスター扱い!?酷いっこんな爺をいたぶって楽しいかっ恭弥!」
なおも繰り出されるトンファーの攻撃をひらひらとかわしながらよよよと泣きまねをするジョット。中々器用である。
「綱吉がコスプレする分には許せるけど、なんで貴方まで猫なの」
「猫の王様、ケット・シーだ!ツナはそのお姫様」
「にゃー」
最早お姫様の部分には突っ込まない雲雀。綱吉は分かっているのか微妙であるが。
「と言うわけで、今日は沢山お菓子を皆から貰おうなー」
「おー!」
拳を上げて意気込む二人に雲雀は一応念を押しておいた。
「僕はコスプレしないからね」
『えぇー!?』
不満げな顔をする二人。
ジョットの手には何だか黒い衣装が握られていた。
やっぱり用意していたか。
不参加宣言をする雲雀だったが、綱吉の頭を撫でると、ふわふわのそれに黄色い小鳥を乗せた。
「その代わり、見ててあげるから上手に皆からお菓子貰ってきな」
「・・・・・!うんっ」
ヒバードを頭に乗せたまま、勢い良く綱吉は駆け出した。