長い話
□君の世界 第一章〜再会〜
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第一章〜再会〜
目を開けると、そこは白い世界だった。
真っ白い世界にポツンと一人佇む。
雲雀恭弥は周りをぐるりと見渡した。
目印となるものは何もない。
一人きりという不安はない。
普段から自分は単独だし、此処に来る事も慣れている。
目印はなくとも、どちらへ行けばいいかは解っている。
ジョット
彼の屋敷のあるだろう方向を見る。
多大な知識と情報を持つ彼は、この世界のネットワークとも呼べる存在だ。
この世界を訪れる者たちは、この世界を誰よりも知っている彼に、それぞれ伺いを立てる為にまず彼に挨拶をしに行く。
何時もの様に、雲雀は彼の屋敷に向かうべく、足となる単車を思い浮かべる。
"創造"することは、この世界で行動するには必需である。
この力を使いこなせなければ、あっという間に野垂れ死にする事となるからだ。
ぼんやりと、目の前に色彩が浮かぶ。
それはやがてはっきりと形を成し、一つの物体となった。
KATANAと呼ばれるバイクを"創造"した雲雀は、それに跨がるとエンジンをかけ、只白い、道もない地面を発進した。