長い話
□君の世界 番外編
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「リボーン!!」
彼の屋敷に着いてすぐに此処の主が叫びながら走ってくるのが見えた。
黒のボルサリーノの鍔をくいっと指で持ち上げ、リボーンと呼ばれた少年は「Ciao」と陽気に挨拶した。
ジョットはそんな少年に「Ciao」と返しながらも、先程の勢いで文句を言いたそうな顔をしていた。
リボーンとジョット。
少年と麗人。
二人は見た目に反してかなり昔からの仲である。
少年は見た目の通りの歳ではなかったし、麗人は一世紀以上時が止まったまま。
二人とも長く時を過ごして来た所為か、面白い事や変わった事に共通して興味を持つ事が多かった。
なのでお互いに相手の性格を分かり合っているリボーンはジョットが不機嫌そうにしていても慌てなかった。
「どうした?随分と不機嫌そうだな。この間知り合ったとかいうガキに何か言われたか?」
ニヤニヤと笑いを含んだ声で訊ねればむう、と膨れながら肯定する。
「あれ、この間お前から教わった挨拶を恭弥が来た時に使ったのだが・・・」
あれ、と指された言葉にリボーンはああ、と思い出した。
「『おっはー☆』ってやつか」
「そう!それ!あれで挨拶したら恭弥の奴すっごい馬鹿にした目でこっち見てきたぞ!?何故だ!?」
それは流行遅れな上に頭軽そうな挨拶だからだよ。
とはリボーンは言わなかった。