黒執事
人間とは、なんて愚かなのでしょう。
どこまでも馴れ合いを求め、助けを請い、自らを追い込んでゆく。
わかっていても止められない、まさに『愚者』の名に相応しい振る舞いですね。
ーーあぁ、すみません。
我々の中での貴方方の呼び方でして。
どうか、お気になされぬよう。
ーーー嗚呼、でもお一人だけ違う方を見つけましたよ。
どこまでも暖かく、最後まで諦めることなく、この世の何よりも美しい人間。
え?
嗚呼、坊ちゃんではありませんよ。
坊ちゃんはあくまで契約者。
私は、あくまで執事ですから。
しかし、あの方はーーーーー
チリリーンチリリーン
嗚呼、坊ちゃんが呼んでいます。
残念ですが、私はもう行かなくては。
あの方の事でしたら、この扉を開ければ分かるはずですよ。
では、いってらっしゃいませ。
※黒執事連載夢小説
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