赤い小さな状袋
□ダーウィンの憂鬱
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「大きくなったら何になるんだ?」
雲雀が転がるからあげを必死で、フォークで刺そうとしている息子に聞いた。
「からあげ」
「何?」
雲雀は念のため、もう一度、聞いた。
「からあげ」
息子は同じ事を答えた。さっき、聞いた事は、聞き間違いではなかったらしい。
「凪、こいつ、本気で馬鹿だぞ!」
「馬鹿って、言わないで。子供の言う事なんだから、本気に取らないの。」
凪は雲雀に言った。そして、子供の言う事を、真に受けている雲雀に呆れた。
その時、我慢できなくなった息子が、手でからあげを食べた。
「あ!ちゃんとフォーク使いなさいって、言ったでしょう!」
「む〜」
クロームに怒られ、息子は不満そうに唸った。
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