赤い小さな状袋
□嫉妬
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玄関を開けると、そこには骸が立っていた。
かなりうろたえ、目が泳いでいた。
「恭弥!」
骸はいきなり手を取り、恭弥を家に引っ張った。
「何?」
恭弥は骸に一応、聞いた。恭弥には大体何があったか分かっていた。
骸がこんなに慌てるのは、息子の事しかなかった。
案の定、骸は子供部屋に恭弥を連れて行った。
子供部屋の息子は、すこぶる機嫌が悪かった。
おもちゃはあちこちに散乱し、背を向けていても、彼がピリピリしているのが分かる。
恭弥はドアを閉めた。
「何があった?」
ため息混じりに、骸に聞いた。
「遊びで幻影を作ってあげたんだ。自分も作りたかったらしいんだけど…。」
「出来なかったと?」
恭弥が言うと、骸は頷いた。
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