君は100まで僕は99まで
□結婚前夜
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クロームは、目の前の純白のウエディングドレスを見つめていた。
明日は結婚式だというのに、嬉しくて眠れないのだ。
「骸様。」
クロームは目を閉じた。
そこは骸と初めて会った場所で、骸とクロームが、同時に存在する事ができる世界だった。
「眠れないのですか?」
骸が微笑んだ。
「ええ。でも、骸様もでしょう?」
クロームに言われ、骸は苦笑した。
「骸様、ごめんなさい。」
「急にどうしたのです?」
俯くクロームに骸は聞いた。
「結婚式、骸様は出来ない。だから。」
骸は公には存在していない人間だった。
彼は公の場所には、出てる事が出来なかった。その為、骸は恭弥の伴侶であっても、結婚式は出来ないのだ。
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