君は100まで僕は99まで
□父権争い
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「パパ!」
絵本を持って、ニコニコ笑いながら、一人息子が声をかけた。
パパと言われ、振り向く男が二人。
恭弥と骸だった。
2人とも同時に振り向き、そして、顔を見合わせた。
「何で、君が振り向くんだ?」
恭弥が骸を睨んだ。
「だって、この子の父親ですから。」
骸が反論した。
「お前は生んだんだから、父親じゃなく、母親じゃないのか?」
「僕が生んだんじゃなくて、クロームが生んだんだ。大体、男の親は父親だろ?」
段々と、2人の間に険悪な雰囲気が漂い始めてきた。
「父親は一人でいいだろう?」
「なんで、そんなにこだわるんだ。」
「君に父親面されると、ムカつく。」
「なんだそれ!」
骸は叫んだ。
言い合いを始めた二人に、彼は見切りをつけ、絵本を読んでくれる人を探しに行く事にした。
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