君は100まで僕は99まで
□クリスマスの夜に
1ページ/7ページ
クリスマスの夜の食卓に、ケーキが2つと空の皿が一つ。
対面して座る、千種と犬。そして、犬の足元にすがっている子供一人。
この子供の親である、雲雀と骸は出かけ、2人は子守を押し付けられたのだ。
「いぬ。」
その子供が言った。
「いぬ、じゃないのら!けん!何度、言ったらわかるのら〜。」
犬がため息をついた。
「あきらめろ。雲雀に「いぬ」の名で刷り込まれている。」
千種が冷静に言った。
「いぬ。」
子供が身体を這い上がってくる。狙いは食卓にある、犬の分のケーキだ。自分の分はすでにたいらげ、犬の分を狙っているのだ。
「お前、さっき食ったりょ?」
犬が言うと子供は頭をかしげた。そして、背を向け、犬のケーキの皿を引き寄せた。
「こら!駄目ら!」
犬が子供の手から皿を引っ張った。
・