短編
□きみへの音
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帰りのHRが終わり、私は帰り支度をしていた
がたっ
隣から席を立つ音
さっきまで机で伏せていた流川くんが立ちあがったのだ
(部活に行くのかな?)
彼は授業中、ほぼ睡眠
少なくとも席替えで隣の席になってからはすべて睡眠
口数も少ないし話したことは一度もない
そんな彼に憧れているのは彼のバスケ姿を見てしまったから
普段からは想像も出来ない動き
綺麗だと素直に思った
息も出来ないほどに彼に見入っていて
シュートを決めた後に目があった
吸い込まれそうな感覚に陥って視線がそらせなくて
熱い眼差しにいつまでも酔っていたかった