短編
□再会の鼓動
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新しい王様のお披露目式の日
私の目に入ってきたのは現国王でもなく、新国王でもなく
隣に居た男の子の姿だった
「ゼオンくん!待ってよー!」
「遅い!」
「ゼオンくんが早い…わっ!」
「七子!」
「いたた…」
「全く…どんくさい奴だな…掴まれ」
「うん…ありがとう」
「ふん…」
毎日のように二人で遊んでいたあの頃
ゼオンくんはぶっきらぼうに見えるけど、本当はすごく優しくて
私はそんなゼオンくんが大好きだった
それが急に姿を見せなくなったゼオンくん
彼が新国王の双子の兄だったなんて…全く知らなかった
生きてればいつか何処かで会って、またあの頃みたいに笑い会えるかななんて思っていた私
のんきな私でもわかること
王族との恋は叶わない